MI設立の理念
――2026年開設予定の「明星Institution中等教育部」の教育理念とカリキュラム設計の方向性について、森上教育研究所 代表取締役 森上展安(もりがみ のぶやす)さんと、明星中学校・高等学校 校長 井上一紀(いのうえ かずのり)が対談しました。
森上展安(以下、森上):中学受験と、私学中等教育を研究しております。森上教育研究所の森上展安と申します。
井上一紀(以下、井上):明星中学校・高等学校の校長をしております。井上一紀と申します。現在、明星institution中等教育部の開設の準備を進めています。
――明星Institution中等教育部とは
森上:まず、今度新たに開設される明星Institution中等教育部についてですが「中等教育部」という言葉がついています。この言葉を聞くと、一般の方々は何だろうかと疑問に思われるかもしれません。簡単に私からご説明すると、たとえば、中学から高校に進学する際に入学金が不要だとか、卒業式や入学式がないなど、6年間一貫してまっすぐ行くというようなイメージを持っているのではないかと思いますがいかがでしょうか?
井上:原則としては、6年間を一貫して持ち続ける形になります。中学と高校の区別はなく、6年間が1つのスパンだという考え方で進めていきたいと思っています。細かな部分はこれから開設に向けて、先生方とも意見を交わしながら決めていきたいと思っていますが、森上さんがおっしゃっるような形を基本にしたいと考えています。
森上:やはり皆さんが一番気にされるのは、どのような学校になるのかという点だと思います。井上先生は渋谷教育学園幕張中学校・高等学校(以下、渋幕)で、東大に70数名を輩出されたり、海外の「Ivy League(Dartmouth, Harvard, Brown, Cornell, Yale, Columbia, Princeton, Pennsylvaniaの総称)」に多くの生徒を進学させたりという非常に豊富な経験をお持ちです。私たちはその点を大いに期待していますが、いかがでしょうか。
井上:渋幕では2024年まで校長補佐・進路部長として、11年間出口の責任者をしていました。東京大学への進学者が最も多く、10年間で700人ほどが進学しました。明星Institution中等教育部で目指すことは、そのような渋幕での経験を活かして最難関の大学を目指したいと言う生徒のためのコースを準備し、そのためのモチベーションをしっかり作り、6年間を通してサポートしていくことです。
森上:改めてお聞きしますが、海外大学への進学ということが渋幕の大きな特徴だったと思います。明星Institution中等教育部もその点を重視しているのでしょうか。「Institution」という名前には、そのような理由があるのでしょうか?
井上:私が42年間教員をしている中で、13年間シンガポールで教鞭をとった経験があります。シンガポールは教育熱心な国で、優秀な学校が多いです。その中でも特に「Raffles Institution(ラッフルズ インスティチューション)」という学校は、イギリスの「Oxbridge(OxfordoとCambridgeの総称)」やアメリカの「Ivy League」に数多くの生徒を送り出しており、その学校と交流を続けてきました。私はその学校のコンセプトや、グローバル教育の素晴らしさを強く感じました。「明星Institution」でも、その学校の方向性を参考にしたいと考え「Institution」という名前をつけました。
――東京大学に入るために重要なこと
森上:東大に入ることは非常に難しいですが、入学のためには何が最も重要だとお考えですか?
井上:東大に行けと言って東大に行くということではないと思っています。やはり大事なのはモチベーションです。どうして東大に行くのか、その理由をしっかり伝えることが大切だと思っています。そのために、学校のキャリア教育の中で東大を意識すると言うと変ですが、東大に行くためのセミナーを開いたり、東大に見学に行くようなアクティビティを通じて、モチベーションを高めていきたいと考えています。
――国際人の養成という理念について
森上:この会場は児玉九十記念講堂ですね。児玉九十先生は、明星Institutionの創立当初から国際人の養成を大きな理念に掲げています。井上先生も成蹊大学で児玉九十先生のご指導を受けられたと思います。国際人の養成という点でも、モチベーションは非常に大きいと思いますが、いかがでしょうか。
井上:グローバルの感覚は非常に重要だと思います。この学校は103年前に創立され、その当時から世界に貢献する人材を育てることを目指していた学校です。103年前の理念が今でも通じているというのは驚くべきことですし、児玉先生の考え方が今なお最先端だと感じています。この学校は、その理念を継承し続けている素晴らしい学校だなというのが第一印象でした。
――進学や進路に必要な科目について
森上:東大に入るには理科や数学、また海外の大学に進学するには英語が重要だと思いますが、その点についてはどうお考えですか?
井上:東大に関して言えば理系なら数学、文系なら英語が特に重要です。しかし、理系も東大では英語や国語も必要です。やはり、5科目をバランスよく学ぶことが基本だと思っています。そのため、文系の生徒に数学をやらなくてもよい、理系の生徒に社会をやらなくてもよい、というようなカリキュラムにはしたくありません。5教科をしっかりと学び、5教科で入試を受けて欲しいです。そして、最終的に5教科で最高峰の大学を目指してもらいたいという考えです。
――明星Institution中等教育部の校風
森上:渋幕は、創立者の田村哲夫先生が麻布中学校・麻布高等学校のような学校を作りたいということで、大変自由な校風でいらっしゃったと思います。明星Institutionはどのような校風を目指しているのでしょうか?
井上:簡単に言えば、渋幕と明星学苑は非常によく似ていると思います。生徒の気風や建学の精神が似ていると感じています。明星学苑の基本理念には「実践躬行(ジッセンキュウコウ)」という言葉があり、渋幕には「自調自考(ジチョウジコウ)」という言葉があります。どちらも主体性教育の基本で「自分でしっかり考えて、正しいと思ったことを行動しなさい」という理念です。また、講堂などの学校の施設設備や環境などあらゆることがよく似ています。明星学苑でならば渋幕のカリキュラムや考え方が通用すると思い、明星Institutionを開設しようと思いました。
――明星Institution中等教育部に入学する生徒に期待すること
森上:来年入学する中学1年生に対して、どのようなことを期待していますか?
井上:そうですね、まずは高い目標を持って来てほしいと思います。「自分にとって何が一番大きな目標なのか」をしっかりと確認し、その目標を達成できるかどうかを考えてきてほしいです。入学してから思っていたのと違うとならないように、しっかりと調べてきてほしいですね。
――明星Institution中等教育部の先生方
森上:どのような先生方が教えるのかも皆さん興味があると思いますが、今後の予定はどうでしょうか?
井上:私と一緒に渋幕から来た先生や、渋幕の卒業生も何名かいます。また、Institutionの考え方に賛同いただいて、他の学校からも教育熱心な先生方が数名集まっています。明星Institutionの開設は来年ですが、すでに準備を進めており、開校後はその先生方を中心に最初の1年を始めていきたいと考えています。
――模擬授業など今後の予定
森上:事前に模擬授業などの予定はありますか?
井上:これから計画を立てていきます。どんな学校かをよく知ってもらうために、模擬授業などを行いたいと考えています。
――明星Institution中等教育部の入学試験
森上:最後に入試についてですが、渋幕は非常に難易度が高いことで知られています。今後少しずつ情報が公開されていくと思いますが、基本的な考え方について教えていただけますか?
井上:入学試験についてはこれから検討していきますが、基本的には4教科で行う予定です。ただし、開設初年度なので、多くの生徒に受験してもらいたいという気持ちから、2教科で行う入試も含めて複数回の入学試験を実施する予定です。
森上:間口は広いと。
井上:そうです。ただ、問題の難易度についてはこれから決めていきますが、渋幕と全く同じ問題を出すことはありません。問題作成についてはしっかりと説明し、参考にしていただくような情報を出したいと思っています。


大学卒業後、一般企業を経て、1983年から渋谷教育学園幕張中学校高等学校に勤務。教育者としてのキャリアを積み重ね、国内外の教育現場での経験を通じて生徒一人ひとりの将来を見据えたキャリア教育や、多様な文化的背景を持つ生徒たちと向き合うグローバル教育の実践に長く取り組み、独自の教育理念と方法論を確立。2026年4月より「明星Institution中等教育部」の校長に就任。
略歴:
渋谷教育学園幕張中学校高等学校
校長補佐・進路部長
渋谷幕張シンガポール校 教頭
早稲田大学系属早稲田渋谷シンガポール校 教頭
网址:MI設立の理念 https://mxgxt.com/news/view/1389981
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